博士情報エンジンwakate主催オンラインキャリアセミナー【博士のキャリア:ロールモデル編②製薬業界で働く研究者トーク】を開催しました

2021年6月28日、ノーベルファーマで希少疾患治療薬の開発を通して社会貢献に取り組む博士を迎え、海外での研究生活や、ポスドクから企業への転身、アカデミアと大学の研究の違い等これまでのキャリアについてお話しいただきました。
また、採用担当の方にもご登壇いただき、研究者目線・採用担当者目線の両方から、参加者のさまざまな質問に答えて頂きました。アンケートで頂いた質問にも後日回答頂きましたのでこちらからご確認ください。
*イベント詳細はこちら

●満足度

【参加者の声】

・今まで知らなかった職種について知れた
・登壇されていた社員の方のバックグラウンドが様々で、博士の就活に焦りを若干感じていたのが軽減された
・PMの方、若手の方のご意見を同時に伺えて、社内の雰囲気やキャリアパスを色々な角度から知ることが出来た
・大変ポジティブな意見を聞くことができ、博士号を取得することのモチベーションが上がった
・基礎研究だけでなく、これまでの経験を活かされている方のお話を聞くことができたことで、今後の進路についての視野が広がった

●参考度

【参加者の声】

・開発品の導入推進について業務内容のイメージができなかったが、実際に取り組まれていることをお聞きすることができて理解が深まった
・大企業とは異なる事業形態、それを支える行動基準が明確にあり、働く姿を想像しやすかった
・製薬業界の研究職と開発職のどちらを目指すかで悩んでいたため、業務内容の話を伺えて大変参考になった
・会社の業務内容を詳しく知ることができた
・博士号を取得してからのキャリアや、ポスドクになってからのキャリアという面で理解が深まった

現在2022年新卒の採用活動は行っていないのですか?

弊社は中途採用主体で採用活動を行っているため、博士課程学生はD3を対象に採用活動を行っております。
採用数は若干名となりますが、2022年3月修了予定者の採用活動も開始しており、応募があった方を7月中くらいにまとめ、順に書類審査、及びその結果に基づく人事スタッフによる面談を進めております。
弊社にチャレンジされたい方は、以下「開発職」に早めにエントリーしてください。
https://phd-engine.net/wakate/d_page/c_view/nobelpharma#new_grad-career
※エントリー後、履歴書など正式な応募書類のご案内をいたします。

私は特に小児の発達障害に関心があるのですが、貴社ではそれに関するプロジェクトがこれまでにありましたでしょうか?また、貴社はジョブ型の雇用形態に転換する可能性はあるのでしょうか?

”小児の神経発達症に伴う入眠困難の改善”という適応症の”メラトベル顆粒小児用0.2%”(メラトニン受容体作動性入眠改善剤)を2020年6月に発売しています。
弊社は中途採用主体の会社で、それぞれ具体的な業務・ジョブ/ポジションでの採用になります。但し、ポスドクや大学院博士課程の皆様については、研究してきたことやご自身の希望がそのまま担当業務には繋がらないこともあるのが現実です。また、殆どの皆さんは医薬品製造販売会社で働いた経験もないのが現状です。従って、最初の配属先については、それぞれの方の経験、研究内容、適正、並びに考え方等を綜合的に判断して、会社として一番相応しいと考える部署を提示させて頂くようにしています。これは重要なことですので、ぜひご理解いただきたいと思います。

渡部様はご自身の博士就活のタイミングがイレギュラーだったと仰っていましたが、御社内定前の活動時、マッチングサイト等で企業検索や自己PR時にて意識されていたことはありますでしょうか?

企業検索などをする際は、大筋で自分の専攻分野(生命科学分野)と合致するかどうかという部分は意識して選択しておりました。
私の場合、人間のライフサイエンス分野以外の職種(食品、農産物の企業、動物のための医薬品企業は△など)は、良い案件があっても除外としていました。自己PRについては、全ての就職活動に共通して言えることだと思いますが、採用する側もやはり情報が少ない中で判断するので、電話や対面での面接等に進まれた際には、「何でも万能そうにやれそう」というイメージがつくことが大事かと思います。
また、私の場合、業務内容が多少分かっていたため、自身の大学院での研究活動プレゼンと共に細胞系~動物実験まで、大体の対応が可能なことをアピールしました。ピンポイントで、業務内容が明確でない際は、何をアピールすればいいのかが漠然としていて分からないと思いますが、その場合は、ご自身の関わられた論文などを提示した上で、上記の点を意識されるのが無難なのかなと思います。

開発職やリサーチャーに博士が新卒で採用される際は、バックグラウンドとして薬理や生化学の研究経験が必要なのではないか、と感じています。自身は化学系薬学の専攻で前述の領域とは異なるのですが、似た背景をお持ちの博士新卒の方は御社でご活躍されていますでしょうか。

結論としては、弊社に限らず、各社入社後研修・教育・OJTを行っていくので、専攻の観点で過度の心配は不要と思います。
例えば、かなり基礎に近い(製薬会社の実学的研究から遠い)研究をしていた博士新卒の社員も研修・教育・OJTを経て活躍されていると思いますし、化学系の研究出身でもその知識を活かしつつ、必要な知識を新たに習得し活躍していると思います。
従って、特段、薬理や生化学を専攻していなければならないということはないと思いますし、仮に求めるバックグランド・技能がある場合は募集要項に記載されているかと思います。また、ご自身が、新たな領域・知識にもチャレンジする意欲があれば、大丈夫だと思います。
実際、製薬会社に入社すると、様々な専門分野・業種で成り立っていて、皆入社後に業務に沿った知識を新たに蓄えていることが実感できますので、専攻はあまり心配せずに飛び込んでみる、くらいで良いかと思います。
(実際、私も修士ですが農学部で天物物有機合成化学を専攻して開発職採用ですし、前職でも結構化学系出身は多かった印象です。)
研究も共同研究のみならず、外部委託の時代になってきているので、コミュニケーション能力、交渉力・指導力等も意識して磨かれておくことをお勧めいたします(就職活動でも活きます)。

・周りにキャリアに関する話を伺えるような人が中々おらず卒業後のキャリアについて迷いを生じていたところ、本セミナーにて登壇者様の三者三様ありのままのお話を聞くことができ、色々なキャリアプランを考えることができました。また、皆様のポジティブなお言葉に勇気を頂き、前向きにキャリアについて考えることができそうです。

・今自分に必要なことであったり、どのようにキャリアパスを歩んでいけばいいのか少しイメージを膨らますことができました。

・他の製薬企業との違いに関する分かりやすいご説明や、ご自身の詳細な就職体験など、お話しくださったのが、特に参考になりました。

・私は現在ポスドクなのですが、草柳様が企業で活躍されている姿を見て、自分ももっと広い視野を持って頑張りたいと大変励みになりました。また、渡部様のように、積極的に企業を選ぶ姿勢が大事だと痛感しました。渡邊様がお話しくださった貴社と大企業との違い、皆様の業務内容やキャリアを快く教えていただき、患者さんのために諦めないという貴社の理念を具体的に実行しているお姿を拝見できて、自分の強みや適性を見つめなおす大変良い機会をいただきました。

・さまざまなバックグラウンドをお持ちだったので、理解がより深まったと感じております。今後の進路を考える上でとても有意義な機会をいただき、本当にありがとうございました。

・私もまずはポスドクになる進路を選びましたが、その後も柔軟に進路を選ぶことができる可能性があることを知れて非常に参考になりました。